「M-1グランプリ」決勝3度目の正直!
大阪の実力派漫才師・銀シャリが念願のM-1王者に!
昨年、5年の充電期間を経て復活した「M-1グランプリ2015」はトレンディエンジェルが優勝。2007年のサンドウィッチマン以来となる敗者復活戦からの優勝ドラマに大会は大いに沸き、トレンディエンジェルはこの1年、王者の名にふさわしい活躍ぶりを見せた。
そして今年もまた、新たなM-1王者の座を狙う3503組がエントリー。出場資格は結成15年以内、プロ・アマ、所属事務所は問わず。4分間で「とにかく面白い漫才」を披露した漫才師が、M-1王者の称号と、賞金1000万円を手にすることができる。
今年の予選では、ライブで力をつけた新進気鋭の若手芸人たちや、度胸あるアマチュア出場者たちがオリジナリティあふれる漫才を続々披露。M-1を見て育った若い世代の台頭や、ネットで多くの漫才を見ることのできる時代背景は出場への意欲のみならず、予選チケットが即完売するなど世間の関心も高めているようだ。
しかし、たった9席しかない決勝の座に行くのは生半可なことではない。今年は、アキナ、カミナリ、相席スタート、銀シャリ、スリムクラブ、ハライチ、スーパーマラドーナ、さらば青春の光と、各お笑い事務所の精鋭たち8組が厳しい予選を乗り越え決勝に進出。残りの1席は、本日午後2時30分(一部地域は2時35分)からABC・テレビ朝日系列全国ネット生放送された敗者復活戦にて、視聴者投票の結果、17万5482票を獲得した和牛が見事射止めた。
アキナ
カミナリ
相席スタート
スリムクラブ
ハライチ
スーパーマラドーナ
さらば青春の光
和牛
昨年王者・トレンディエンジェル栄光のVTRからスタートした今年の「M-1グランプリ」決勝戦。「夢は叶うんだなと思いました」という彼らの言葉を聞いた司会の今田耕司は「オープニングが重厚。凛々しい」と感嘆。上戸彩も「毎日のようにトレンディエンジェルさん見ました」と彼らの活躍に目を見張る。
今年審査員を務めるのはオール巨人、上沼恵美子、中川家・礼二、博多大吉、松本人志。松本は「家で見るくらいならここで見るほうが」と冗談めかしながらも「一生懸命頑張ってやってみようと思う」とコメントを。初めて審査員を務める大吉は「すごく緊張してます。落ち着いてやりたいと思います」という言葉通りガチガチの様子。何度も審査員を務めている巨人は「日本の笑いは世界でトップクラス。その中でも今日は世界1番の15年目までの芸人を決めるということ」と締めくくり、決勝戦の幕が切って落とされた。
1組目のアキナはトップバッターとは思えないほど落ち着いたネタ運び。山名演じる、親の離婚を心配する大人っぽい子どもの言動に会場がいきなり爆笑に包まれる。続くカミナリの漫才は、川柳・お年寄りというキーワードと彼らの茨城弁とが最高のマッチング。唯一の男女コンビ・相席スタートは、合コンを野球に例えるというこれまでにないオリジナルなネタを披露した。
ここでいよいよ敗者復活戦の結果発表。18位から6位までが一気に発表され、残った5組は和牛、とろサーモン、ミキ、かまいたち、メイプル超合金。5位かまいたち、4位とろサーモン、3位メイプル超合金が脱落し、残るは前回決勝進出の和牛か、結成4年目で今年準決勝初出場のミキ。決勝残る1枠を射止めたのは、準決勝9位通過、決勝をあと一息で逃した和牛。ミキに4万票近くの差を付けての決勝進出だ。
続いては、昨年トレンディエンジェルに敗れ2位だった銀シャリの出番。ドレミの歌をとぼけたアレンジで歌う鰻に、橋本の怒涛のツッコミがかぶさり笑いが増幅される。2010年以来2度目の決勝進出となったスリムクラブの漫才は、彼ららしい独特な世界観が健在。一方、4大会連続決勝進出のハライチは得意のノリボケ漫才を封印し優勝を狙う。
スーパーマラドーナは田中がエレベーターに閉じ込められるという漫才。ところがこの意外なオチには審査員たちも脱帽の様子だった。ここで銀シャリがトップで最終決戦へ。コントの大会でも結果を残しているさらば青春の光は「中学時代の思い出」というシンプルな入り口、ボケを繰り返すシンプルな運びを高度なテクニックで披露。3位となり、スーパーマラドーナが先に最終決戦に駒を進める。ラストは和牛。ドライブデートを体験してみたいという水田の身勝手な言動、ドン引きの川西のやり取りが最後まで観客を笑わせる。和牛の得点は1位の銀シャリと1点差の2位に。結果、銀シャリ、和牛、スーパーマラドーナが最終決戦進出となった。
大阪の実力派3組による三つ巴となった今年の最終決戦。1位で最終決戦に進んだ銀シャリが選んだネタ順はもちろんラストの3番目、和牛が2番、スーパーマラドーナが1番に。スーパーマラドーナはチンピラな武智とひ弱な田中のキャラがわかりやすく表現されたチャンバラネタ。和牛は1本目のネタを引き継ぎ夏祭りデートネタで勝負。銀シャリは雑学をテーマに次から次へとボケを展開してみせる。
ネタ披露後、審査員の松本は「まだ決められてない。投票は2-2-1になるんじゃないか。もう(僕の好きな)ネクタイで決めたろかな」と苦悶の表情。大御所・巨人でさえも「好みになるけど、3組とも好きやから。漫才としてはどうやと言われると……」と言葉を濁すほど接戦の様相を呈す。
結果は、巨人、大吉、上沼が銀シャリ、中川家がスーパーマラドーナ、松本が和牛に投票。3票を獲得した銀シャリが去年の雪辱を晴らし見事王者の座に輝いた。
優勝会見の場に現れた銀シャリ橋本は開口一番
「ほんとに疲れましたね」と言いつつ満面の笑顔。「去年の2位が悔しかったのでずっと頑張ってきました。大学生の頃からM-1を見てて、優勝したくて芸人をはじめたので夢のようです」と語った。鰻は「めちゃくちゃうれしかったです。実家が貧乏なんですが、チャンピオンの称号があれば一生食えると思いました」とコメント。まだ涙を流してないことを橋本に指摘されると、「実感が沸いてない」と正直な気持ちを明かし記者陣を笑わせる。
質疑応答で今後の活動について聞かれると、橋本は「どうなっても漫才が基盤。永遠にやると思います。それは間違いないし、コンビでも話してる。最小公倍数ですね。今後バラエティ番組などに出させていただく機会があっても(漫才は)続けます」と名言。鰻も「チャンピオンの称号があるからこそいろんな漫才に挑戦したい」とさらに漫才への意欲を燃やしていた。「東京進出は?」と聞かれると、「いつかは行きたいと思っています。関西に恩返しをするためにも優勝して全国区にならないと。より多くの人に見てもらいたい」とこちらも意欲的だ。
最終決戦については、「しゃべくりでいくぞという表明のネタ。賭けでしたが、あれで優勝できたのはうれしいです」という本音が。ネタが終わった時点では「難しい戦いやと思った」「スーパーマラドーナさんも和牛もすごかった」と優勝の確信はなかったそう。しかし3組とも大阪で活動し、前回も決勝に出ている仲間だけに、「一緒にがんばってきた」「誰かがいったらいいなと思ってたので感慨深い」という思いも。「今までは夢物語でしたが、去年の2位で実感が湧いて、スイッチが入った。ネタの微調整をすごくたくさんやって、ネタもたくさん作った。ロケの合間にもコンビでいろいろやってましたし、今年優勝という感覚でやってきた」と橋本が語ると、鰻は「今の橋本の言葉を聞いて実感が沸いてきました」とうれしそうな表情を浮かべていた。
気になる優勝賞金の使いみちについては、昨年結婚してハワイ旅行に行った鰻が380万の借金があると告白。逆に橋本は「婚活代にしたい」と語った。
なお副賞として銀シャリには、Cygamesから「空の彼方、青を巡る旅 ハワイ 2名1組旅行券」、サントリーからは、「ザ・プレミアム・モルツ1年分」、日清食品からは、「優勝記念どん兵衛“M-1のどん”出演権」、ファミリーマートからは、「ファミマプレミアムチキン 100kg」が贈られる。
この模様は、本日、4日(日)午後6:30~9:00 ABC・テレビ朝日系列全国ネットで生放送された。